今年、東日本大震災から10年が経過します。
あの時、私が言葉にできないくらいショックを受けたのは津波の映像です。毎日、毎日、行方不明の人の名前がテレビに流れ、しんどかったです。でも当時の私ができる唯一のことは、東北で起きていることに目をそらさないということでした。ですからニュースを見続けました。
そして3月27日の早朝のテレビニュースで見たのが「被災地、福島へ燃料をはこべ」という短い特集でした。古びたディーゼル機関車が全国から8台新潟に集められ、2台連結して10両の燃料タンクを引っ張って、磐越西線を郡山まで運ぶという内容でした。
私はその特集を見終わって、しばらく動けずぼんやりしてしまいました。そして、「このことを絵本にして子どもたちに伝えたい」と思い、翌月、編集者さんと新潟、郡山に取材に行って一気に書き上げたのが、絵本『はしれ ディーゼルきかんしゃデーデ』(絵・鈴木まもる 童心社)です。(次ページに続く)
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