ブックレビュー:『毎日がちょっとハッピーになる心理学』

毎日がちょっとハッピーになる心理学』の読者様よりレビューが届きました。誠にありがとうございます。
本欄で紹介させていただきます。

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心理学を暮らしに使ってみる

神原えみ

小さな気づきが

ページの端をそっとつまんだだけで、胸の奥に静かな波紋がじんわりと広がっていく、そんな本に出会うことがあります。難解な理屈や専門的な理論で読者をねじ伏せるのではなく、日常の手ざわりや心の動きを、まるで温かいお茶を差し出すように、やさしく手渡してくれる一冊。

「心理学って、なんだか専門用語が多くてとっつきにくい」そんな印象は次第に柔らかく溶けて、じんわりと心に効いてきます。というのも、難しい説明を重ねる代わりに、やわらかな言葉で気持ちに“入り口”を作ってくれるから。読むというより、ふと目に入る——そのくらいの軽やかさで心に届いてくるのです。

たとえば、台所に立ちながら、ふと開いたままのページ。掃除機をかけ終えた後の、あのちょっとした一息の時間。始業前の5分、通勤電車の中。そんな忙しない日々のすき間に、スッと差し込める数分間。たったそれだけの時間でも、「あ、わかるなあ」と頷いてしまうような、小さな気づきが散りばめられています。

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